これまでの「スキンケアの常識」は肌に吸収、浸透させるほどよいというもの。でも本当にそうでしょうか?常識をもういちど見直してみましょう。
角質層には、外側からの細菌やウイルス、有害物質などが体内に侵入しないように守るバリア機能があります。肌はそう簡単に「吸収」しないようになっているのです。
化粧品などを肌から吸収するのは、肌に塗られたものが、角質層のバリアを通り抜け、皮膚の組織にある血管に入り込んで、血液と混ざり全身循環系に流れていくことです。
肌に化粧品が吸収されるのはいいこと、と思いがちですが、吸収させる化粧品は、せっかくの角質層のバリア機能を無駄にしてしまうことでもあるのです。血液を流れ、全身に循環させるならば、美容成分を食べ物からとったほうが効率的です。
肌によい美容成分ならば、血液中に吸収されるよりも、表皮や真皮にとどまっていた方が効果を発揮しやすいといえます。
そこで注目されるのが、角質の下にある表皮や真皮にまで届く「浸透」という機能を持たせた化粧品です。
浸透させるタイプの化粧品のいちばんの特徴は「脂溶性」であることです。皮膚の表面は皮脂に覆われているので、油に溶けるもののほうが浸透しやすいのです。
また、成分の分子量が小さいほどいいと考えられています。少し専門的になりますが、具体的に数字をあげると、分子量が500ダルトン(分子量を表す単位)以下のものが浸透しやすいといわれています。
◎よく使われる美容成分の分子量
動物性コラーゲン…30~40万ダルトン
海洋性コラーゲン…約10万ダルトン
加水分解コラーゲン…約1万ダルトン
コラーゲンペプチド…3000~5000ダルトン
超低分子コラーゲン…500~1000ダルトン
ヒアルロン酸…100~200万ダルトン
ビタミンC…200ダルトン(水溶性のため皮膚に浸透しない)
浸透しやすい化粧品の特徴をまとめると、分子量が小さい脂溶性の化学物質が多く含まれているもの、となります。
その浸透しやすいという性質のために、美肌効果を期待しても逆にアレルギーなどの皮膚トラブルが起こる可能性もあります。もし、化粧品でかぶれや湿疹が出たときは、すぐに使用を中断して皮膚科の医師に相談することをおすすめします。
さほどお手入れをしていない胸元の肌がきれいなのはなぜでしょうか。
それは、紫外線のダメージや肌本来の排泄昨日を乱す”余計なもの”(吸収されやすいように細分化された化粧品成分など)の影響を受けることなく、健やかにターンオーバーを繰り返しているからです。
もともと吸収器官ではない皮膚にさまざまな成分を無理に浸透させようとするスキンケアは、肌本来の生理に逆らうもの。汗腺や皮脂腺を詰まらせたり、正常なターンオーバーを妨げ、肌トラブルのもとになる可能性が考えられます。
多くの美容法では、生命を守っている皮脂膜を無理矢理破り、化粧品を皮膚の中に浸透させています。しかし肌はバリアが破られると「異物が来た!」と解釈して、異物がそれ以上深く浸透しないように、防御しようとします。
メラニンを集め、その集合体で異物が侵入した部分を取り囲むのです。
メラニンの集合体が「シミ」です。
嫌なシミですが、その原因の多くは、私たちの体を異物の進入から守るために、皮膚が戦った痕なのです。
では、どのように肌内部へ栄養を届けるのがいいのでしょうか?
それは体内の血液を伝って、栄養素を行き渡らせることです。
そのために大事なのは、バランスのとれた「食事」と、栄養の吸収を促す良質な「睡眠」が重要なカギとなります。
食事は、3大栄養素といわれている「たんぱく質」「糖質・脂質」「ビタミンやミネラル・食物繊維など」を、バランス良く摂取することが大切。
バランスのよい食事をとることで、栄養素の働きが機能し、血液を伝って肌へと運ばれるようになります。
また、睡眠は細胞分裂が活発に働く夜22時~深夜2時の間にとることがポイントです。
さらに、美容酵素が配合されたスキンケア基礎化粧品を使えば、必要最低限のケアで健康なお肌を目指すことができます。
美容酵素は、肌表面へのなじみがよく、皮膚を優しくコーティングして、お肌の保湿力をサポートします。
必要なのはクレンジングだけで、乳液や美容液等は必要ありません。就寝前のスキンケアを、簡単に済ませながら、しっかりお肌を作る、という成分なのです。